結論
請求書の支払期限には、取引先と決めた期日を書きます。フリーランス(従業員を使わない個人や、ひとり社長の会社)への業務委託で、発注する側が従業員を使う事業者などのときは、支払期日を成果物などを受け取った日から60日以内(できる限り短く)で決めることが、フリーランス法で決められています。
60日の決まりが当てはまる取引
フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、次の2つがそろうときに、支払期日の決まり(第4条)が当てはまるとされています。
- 受ける側: 従業員を使わない個人、または代表者のほかに役員がおらず従業員も使わない会社(法律では「特定受託事業者」)
- 発注する側: 従業員を使う個人、または役員が2人以上いるか従業員を使う会社(法律では「特定業務委託事業者」)
支払期日の決まり(第4条)は、発注する側が「特定業務委託事業者」のときの決まりです。発注する側も従業員を使わないフリーランスのときは、この決まりには当たりません。ただし、取引条件を書面やメールで示すことは、その場合も必要とされています(公正取引委員会 Q&A Q9)。
60日の数え方
- 数え始めは、発注した側が成果物などを受け取った日(作業などの役務なら、提供を受けた日)です。検査をするかどうかは関係ありません(第4条第1項)。請求書を出した日から数えるのではないことに注意してください。
- 支払期日を決めなかったときは、受け取った日が支払期日とみなされます。60日を超えて決めたときは、受け取った日から数えて60日を経過する日が支払期日とみなされます(第4条第2項)。
- 「月末締め翌月末払い」のような月ごとの締め日は、受け取ってから「2か月以内」として運用し、問題としないとされています(Q&A Q48)。
- 元の発注者から受けた仕事をフリーランスに再委託するときは、条件を示したうえで、元の発注者からの支払期日から30日以内とする例外があります(第4条第3項、Q&A Q50〜Q57)。
請求書の書き方
- まず、発注のときに示された(または取り決めた)支払期日を確かめます。
- 請求書の「お支払期限」に、その期日を書きます。
- 取り決めがなく、60日の決まりが当てはまる取引なら、納品した日(作業を終えた日)から60日を超えない日を目安にしてください。
書類作るさんの請求書では、「お支払期限」の初期値は発行日の翌月末です。納品から請求までに日があいたときは、納品日から60日を超えていないかを確かめて、必要なら期日を直してください。
支払いが遅れたときは
取り決めた期日を過ぎても支払われないときは、まず取引先に確認してください。フリーランス法の内容は、公正取引委員会のフリーランス法特設サイトにまとめられています。
根拠(国税庁・法令など)
- 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法) 第2条(定義)・第4条(報酬の支払期日等)(e-Gov 法令検索・2026/10/20 確認)
- フリーランス法に関するQ&A(Q2・Q45〜Q57 支払期日、Q78 振込手数料)(公正取引委員会・2026/10/20 確認)
- フリーランス法特設サイト(取引条件の明示・期日における報酬支払・禁止行為)(公正取引委員会・2026/10/20 確認)
制度の説明は、根拠の資料をもとにした一般的な内容です。個別の取引の扱いは、国税庁・公正取引委員会などの案内や、税務署・税理士・弁護士にご確認ください。制度の根拠の一覧は対応している制度と根拠にまとめています。